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今週の怪文書 No.323

社員に過剰ノルマの日経に“過労死”告発!

 新聞社の生命線は「販売部数」。読売、朝日の両巨頭は群を抜いているが、毎日、日経の3位争いは熾烈だ。日経は、追いつけ、追い抜けと最前線の販売部員にハッパをかけているが、企業ベッタリ、社会面ダメで、やはり経済紙の域をなかなか抜けられないのが現状。
 それでも300万部前後をキープしているから、偉い! その日経の販売部員に関する内部告発調怪文書が話題をよんでいる。販売部員は過剰なノルマ達成のために深夜労働続き。過去9年間に5人の過労死があったというのだ。まずは、その内容を。差出人は〈日本経済新聞過労死社員の遺族を支援する会〉。
〈日本経済新聞社販売局では過去9年間に5人の営業社員が過労死しています。K元日経常務販売局長とH元日経大阪販売局一部長らの過大な出世欲のために10年以上の間、現実を無視して日経400万部達成への日経燦燦計画(330万部達成)を主導して、過酷な販売ノルマを販売局営業社員に課し、毎日深夜までの労働を無理強いし、その結果5人が過労死しました。
 家族の稼ぎ手である夫、父を日経に奪われ残された遺族たちは、地獄の火の中に放り込まれたような、長い間、精神的にも経済的にも耐え難い絶望と貧困を味わってきました。遺族は、KとHが、労働基準法の安全配慮義務違反及び業務上過失致死罪容疑で東京地検に起訴されることを願っています。
 2人が日経販売局営業社員に命じた過酷な販売ノルマと毎日の深夜までの労働、そして悲惨な社員の連続過労死の事実を告発します。どうか、二度と己の出世欲のためにこのような悲惨な社員の死を繰り返させないために、Eさんを過労自殺に追いやったH、らの裁量権を著しく逸脱し、販売ノルマの未達成の営業社員を地方に飛ばす“恐怖政治”を行い、部下を何人も死地に追いやり、遺族たちに地獄の苦しみを与え続けているKをどうか、誌上にて告発して頂きますようにお願いします。〉
 怪文書中では、部署名、氏名は実名で書かれている。また、KやHらの自宅住所、電話番号も書かれており、さらに、会社側とのやりとりを掲載した組合報、過労死した5人の最期の状況なども添付されている。5人のうち1人は労災が認められているが、4人については冷たい反応だとしている。
 怪文書では発行部数についてもふれ、〈1989年に300万部達成、2008年現在も307万部、20年間変動していない。日経燦燦計画では317万部まで達成したが、読売本社からの「売れていない、読者のいない日経紙が読売販売店に押しつけられている」との苦情で10万部を整理…〉などの面白い話も登場している。
 新聞拡販団は各紙とも、野球試合のチケット付けます、新米1kg、お試し購読無料などあの手この手で読者獲得を狙っているが、キャパシティーはすでに飽和状態で、あとは敵陣営を切り崩すだけ。容易な仕事ではない。若者の活字離れ、これから不況感が浸透すれば部数減は免れず、直接の担当部員や上司は、四苦八苦が続くことになる。
 新聞社も同様だが、企業にとっては、社員の過労死は不名誉な勲章だ。劣悪な労働環境の烙印が押され、イメージダウンに繋がっていく。死の原因は一概には判定できないが、社員死後の社員家族へのフォローは、企業に責任があることはまちがいない。
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