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今週の怪文書 No.391

2010年の怪文書事情

 3兆円削減のラッパを吹いたのに、フタを開けてみたらたったの6900億円。一般公開して喝采を浴びた事業仕分けのあの数字はいったい何だったのか。やっぱり財務省と他省庁間は、役人同士の出来レースか? 鳩山政権に対する失望感は広がるばかりだ。
 もちろん、自民党がいいわけではない。鳩山政権の場当たり主義、弱腰、朝令暮改政策が問題なのだ。ということで、八ッ場ダム廃止で始まった民主党の世直し劇、実効性が薄まったことは否めない。このままでは、2010年は与党内部の不満、苦言、野党背後からの内部告発、怪文書が乱発されること必至だ。与党間の軋みによる恨み事は、参院選まで我慢のお預け。しかし、いつ誘発するか分からない“メガトン級爆弾”を抱えていることに違いはない。与野党間のデッドヒート、同選挙区内の与党候補者間の疑心暗鬼で、怪文書は公示数カ月前から、否、すでに前哨戦は始まっている。2010年は、政界を揺さぶる怪文書が途方も無く大量に出るとみる。
 中央官庁はどうか。掛け声ばかりで実効性に乏しかった事業仕分けでは、結果オーライで官僚のスクラムが完勝。しかし、民主党の攻勢はこれからだ。中央官庁は、毎年1つか2つの省庁が集中攻撃を受け、社会的に糾弾される。しかし、役人にとって大打撃かというと、ノド元すぎれば何とやらで、役人気質を変えるまでに効果はない。国民のための事務手続きの間違い、事業丸投げ、天下り…。どれをとっても雨後の筍だ。一皮むいても同じ皮があり、ホンモノまで到達するには時間がかかる。狙いどころは防衛省、文科省、法務省辺りか。東京都を始めとする政令指定都市、元気な地方自治体の事業仕分け、NHKの民営化など、期待したいものは多い。
 経済界はどうか。“財界天皇”といわれる日本経団連会長を始め、多くの経済団体のトップの座が替わる。だからといって、国民が両手を挙げて歓迎できる場が出来るわけではない。エコポイント続行で環境、省エネ関連の家電、自動車、住宅事業などは少しは上向くのだろうが、景気浮上というおこぼれがくる約束はない。テレビのデジタル化を控えて家電業界はマアいいだろうが、長続きするのかどうか。赤字決算で、先払いしていた税金の還付で息をつける企業は増えるだろう。しかし一方で、JR各社の集客落ち込み、デパートの売上げ減、日本航空の能天気経営失脚のツケ回しなど、暗い見通しも山積みだ。
 保険業界は生保、損保ともに未払い保険金をしっかり片付ける義務があるが、相変わらずのノラリクラリで行きそうな気もする。国民も賢くならなければ。金融業界はメガバンクを中心に、地銀、信金の系列下が進んでいるが、消費者金融の動きが不気味。武富士のかつての勢いはどうしてしまったのか。
 マスメディアも新しい時代に入りそうだ。産経はひと足早く夕刊廃止。大量早期退職者募集など、次の時代に向けて布石を打ってきたが、自民党べったりの体質が吉と出るか、凶となるのか。毎日の共同通信再加盟が語る意味も大きい。欧米のように、成金がメディアを買い占めたり、合併させたり、大量リストラしたりの時代がくるかもしれない。マスコミというだけで、社屋、工場用地に国有地を払い下げてもらったり、政府や自治体の広報の手助けをしてガッポリ稼ぐのはおかしい。新聞が政府御用紙から脱却するためにも、癒着の実態解明を期待する。多くの大手企業が参画しているサプリメント業界にも要注目だ。
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