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今週の怪文書 No.397

大学上層部の“横暴運営”

「大学教授」「大学理事」。金儲けではなく、ステータスとして誰もがなってみたい肩書だ。ただし、大学の名にふさわしくない大学、経営者にふさわしくない理事、運営者の資格のない教授が幅を利かせている学校も少なくない。今回取り上げたA大学も、その1つ。タイトルは〈補助金搾取の計画 内部告発〉。A4判用紙1枚、1頁にワープロで打たれている。
〈A大学は、文学部だけの単科大学でしたが近年食物学部・国際経営学部を新設したが時期が遅く定員の充足にはほど遠い入学数でした。その結果毎年1億の赤字を出してしまいました。そこで入学定員の半数を満たせば補助金が支給されるという規定に着目した文科省OBのH理事長の発案でN常任理事・M大学長・O文学部長が中心となり入試対策部に指示して、緊急に臨時の入試をすることにし、ホームページに掲示し辻褄合わせをして、本年4月の入学式の後併設する短期大学の地域総合学科と日本語別科の中国人の留学生を通訳を介して強引に説得して国際経営学部に入学させました。
 学生はまだ日本語が十分でなかったので、講義についていけない者がでているし、何より全く関係のない学部に急に入学を強制されたのですからパニックです。教員の中にも日本語がわからないので意思の疎通が出来ないとお手あげになっている人が多い。その一部始終が全国紙地域版に掲載されて、文科省に呼び出されたが、H理事長が文科省OBだからか、たいした注意もなかったと聞いています。
 毎年1億の赤字を計上し、定期昇給をストップさせ、学生数は毎年減少しているのに何の方策もとらずにいるという。経営の無計画と失敗を反省もしなくて、目先の欲だけに目を向けるという姿勢は、教育に関わる者としては失格と思います。勤務している者も気力を失いつつあります。しかし、何より許せないのは、罪もない学生の希望と教育を受ける権利が失われようとしていることで、言語道断です。このような最低最悪の状態は内部の努力では解決できません。是非是非力を貸してください。〉
 A大学は、女学校として発足。専門学校、女子大から総合大学に発展してきた、100年以上の歴史をもつ名門校。大学院、短大のほかに幼稚園、中学、高校、看護専門学校もある。別のいい方をすると、御多分に洩れないマンモス学園ということになるが、少子化時代の波を受けて入学者の数が年々減り、あの手この手で受験者の勧誘をしてきているのは事実だ。しかし、この怪文書の告発では、日本語の理解できない中国人に追試験を受験させ、すぐに合格させて辻褄合わせをしたというのだから、私学振興資金の1億円欲しさに仕組んだ猿芝居ともとれる。A大学のあるA市は、日本を代表する観光地の一つ。大学の1つや2つあっても不思議ではないが、経営トップに文科省OBを据えて、国民の血税をちゃっかり戴こうなどとは、けしからんともいえる。
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