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今週の怪文書 No.404

町政批判派を徹底糾弾

 徳島県との県境にある高知県東洋町で今年1月、全戸に怪文書がバラ蒔かれたという話をきいた時、なぜそんな僻地に? と事実関係を訝しがった。ポンカン栽培と近海漁業の静かな町である。しかし、その後この町が、どえらいことに片足つっこんでいる“超有名な町”と聞いて納得した。
 この町を二分して世界中の注目を集めているのが、青森県六ヶ所村につぐ原子力発電所の高レベル核廃棄物処理場の誘致問題。前回の町長選では、誘致反対派の候補者が大差で推進派の現職町長を破ったが、今年1月の町議会選挙には、10の議席に対して19人が立候補、大混乱となった。その渦中に蒔かれたのが、今回取り上げた怪文書。
 ことは田舎の町議選だが、背景には日本の将来を左右する重大事が秘められている。結果の勢力図次第では、激変も考えられる。まずは怪文書の内容を。タイトルは〈「名こそ惜しけれ」…「金こそ惜しけれ」未だ居座るA議員〉。
「東洋町のA議員はリコール対象者になり、千名以上の署名が集まったにもかかわらず、未だ議員職に居座っている。「自分にはリコールされる理由がない。千票以上の票全てが虚偽の喧伝によるもの」として、「代表者に農業委員がいたので無効」とした町の選挙管理委員会の判断を盾に議員であり続けている。
「すべて相手が悪い」は生来の体質か。
 この「すべて相手が悪い」と開き直る態度は十年以上前、彼が貝の密漁事件で逮捕された時と同じである。
 当時、町会議員でありながら竹ケ島のながれこを密漁し、近隣の店に売り払っていた。警察から「密漁」の注意勧告を二度も受けたにも関わらず、三度めに逮捕された。
 直後、彼は近しい住民に「海のものを獲ってどこが悪い。みんなの海に、入るなという方がおかしい」といって、開き直った。
 彼には、善悪の判断ができないようだ。
 さすがに、その時は世論と同僚議員の圧力に抗しきれず、渋々、辞職したが、そのほとぼりも冷めやらぬうち、補欠選挙で返り咲いた。彼に投票した町民は、真相を知らされず、彼の言い分けにだまされたのか。
 最近また、A議員が二十余年前に建てた駅裏の自宅は、農地に建てられた違法建築であることが指摘され、判明した。
 彼は現職の農地委員であり、農地法に詳しい。
 今年になって、その違法建築である自宅の修理代の補助金を町から出させた。先年、彼は町営住宅が農地上に建設されているとして、議会で町執行部を厳しく追及していた。
 二十余年前から自分も同じく農地法を犯していながら、厚顔無恥な所業。
 この国には「名こそ惜しけれ」という美風があるが、A議員が恋々として議員の職に留まれば、留まるほど、「金こそ惜しけれ」という悪風の声が聞こえてくる。〉
 怪文書中では、A議員は実名で登場している。A議員は現町政批判派。この怪文書の前にバラ蒔かれた文書ではB議員が名指しで誹謗中傷されている。やはり町政批判派。10の議席に19人立候補では、票が分散して当落が読みきれない。一人ずつ切り崩そうとする選挙戦術なのだろう。もっとも、怪文書を飛ばしたのは、敵方ではなく味方説もある。処理施設誘致でたんまり金は入る。100人が100人反対ではなく、金に目が眩む人がいるから難しい。
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