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今週の怪文書 No.406

ニイウスコー粉飾事件の舞台裏

 小誌22年3月11号で詳報したシステム開発会社「ニイウスコー」(本社=東京・中央区。民事再生手続き中)巨額粉飾決算容疑事件に、新たな展開があった。証券取引等監視委員会が、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で大株主の日本IBM本社を家宅捜索。2005年6月期の連結決算で121億円の水増し売り上げを計上したとして、同社の元会長、元副会長らが逮捕された。
 捜査当局のその後の調べでは、売り上げ水増し分は145億円、粉飾額は当初起訴分と合わせて274億円に膨らみ、大株主企業の一部社員の関与も浮上しているという。そんな捜査の進捗状況を睨むかのように、一通の怪文書がマスコミに配られている。A4判用紙2枚2頁にワープロでびっしり打たれたもので、タイトルは〈証券取引等監視委員会御中─'07年中の事実関係について──〉。まずは、怪文書の内容を。
〈A社事業開発部の者です。ひと月ほど前に元会長が逮捕されたニイウスコーについてなのですが、報道されていない重要事実をお知らせします。数日中に反応がない場合にはこのレターの写しを新聞社などにも送ることとしますのでご了承おきください。
 2007年3月、元会長から増資を持ちかけられていたニュ××××××××××とシル××××ーから当社部長のB氏に相談があった。そのときに既に粉飾の疑いが濃いとの通知があった。ニイウスコーのアドバイザーはC社ニューヨーク駐在の「D」氏であった。D氏からは投資会社は未定であってEなど多数の投資会社も検討しているとの説明があった。
 同年4月、両投資会社から、差出人名を記載していないペーパーがB氏に提出されたが、そこに粉飾についての詳細な調査結果が記載してあった。このペーパーは後にB氏の指示により破棄された。B氏は担当役員に簡単な報告をし、指示に基づいて両投資会社の責任で動くよう指示を出した。投資会社側の責任者はFとGという在日代表。
 5月上旬、詳細なレポートが完成した。そこにはニイウスコーの循環取引や不自然な在庫推移など粉飾の疑いが数十箇所記載されていた。B部長は上司と相談の上で、これを受け入れられないとして、投資会社とH社の担当者ら10名程度と面接。BからH社らに対して粉飾を疑わせる記述を削除、改変するよう強く申入れを行うとともに、投資会社担当者に対しても粉飾でないことについて認めるように迫った。その結果レポートは大巾に改変されたが、投資会社2社はいずれも粉飾である旨の主張は変えなかった。アドバイザーのD氏も強硬に反発したが、なぜニューヨーク在住の人物が個人的にアドバイスしているのか非常に不自然と感じられた〉
 怪文書では、社名、人物名は実名で登場している。それにしても、不思議な話ではある。かなり前からニイウスコーの決算には粉飾の疑惑があったのに、周辺にいる人物達は懸命に火消しを画策している。A社B部長に関しては、隠蔽工作の中心人物として何度も登場させられているので、“私怨”の疑いもあるが、周辺企業が100億円単位の粉飾を正当化しようとして蠢いている様は理解できる。怪文書はまだまだ続き、投資家や株主に大損させた元凶は誰、背任罪、金融商品取引法違反(善管注意義務違反)での損害賠償責任を負うべきは誰、と関係社の間で責任のなすり合いをしているとも記述している。みんな一杯食ったのか、儲けた奴もいたのか。結果は法の裁きで。
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